アレルギー科の診療について
アレルギー物質によって引き起こされる、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(花粉症)、食物アレルギーなどを中心に診断や治療を行います。
お子さまのアレルギー疾患で気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
気管支ぜん息
気管支ぜん息は、空気の通り道である気道が炎症などにより狭くなることによって、のどが「ヒューヒュー」、「ゼーゼー」鳴ったり(喘鳴=ぜんめい)、咳や痰がでて呼吸が苦しくなる病気です。
ぜん息は、アレルギーを引き起こす原因物質であるほこりやダニ、ペットの毛などが体内に入り気管支でアレルギー反応がおこったり、風邪やストレスが刺激となりひどくなる場合があります。
治療としては、発作の治療と発作を起こさないための予防が大切になってきます。
発作が起こった際は、薬物療法で炎症を抑えます。
また、予防のために自宅からアレルゲンの原因となるほこり・ダニ・タバコの煙などを取り除き環境を整え、規則正しい生活を行い、ストレスを溜めないことが大切です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は食事や環境による何らかの刺激がきっかけで、かゆみを伴う湿疹が繰り返し出現する病気です。
この数十年来、アトピー性皮膚炎の患者数が増加した原因としては大気汚染や家屋の密閉による室内アレルゲンの増加(特にダニ)や食生活の変化によるたんぱく質摂取量の増加などが挙げられています。
なお、乳幼児期に発症することが多く、顔や頭皮にかゆみを伴う湿疹が発症することが多く見られます。
治療としては、スキンケア、保湿、段階に応じた抗アレルギー薬、抗炎症薬を用いた治療が基本になりますが、皮膚を清潔に保ち、手で皮膚を掻いたり、ストレスや睡眠不足などの増悪因子を取り除くといったことも大切です。
また、食物アレルギーを合併している場合は、食物アレルギーが緩和すると症状もおさまる場合があります。
アレルギー性鼻炎(花粉症)
アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)は、ハウスダストや花粉が鼻や目の粘膜に触れることによって刺激されて起こる鼻炎で、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどのかぜの初期症状と似た一連のアレルギー症状を起こします。
その他にも、咳がでたり、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じ、からだや顔のほてり、イライラ感、ぐったりするなど、からだの各部位に多くの症状が起こります。
なお、すべての花粉が花粉症の原因となりますが、中でも「スギ花粉症」、「イネ科花粉症」、「ブタクサ花粉症」は3大花粉症と言われています。
治療法としては、抗アレルギー薬と抗ヒスタミン薬を主体とした内服薬と症状によっては点眼薬や点鼻薬を併用します。 花粉症の症状、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
食物アレルギー
食物アレルギーとは、食べたり飲んだりした際に、食物中のアレルギー物質を取り込むことによって引き起こされる身体の様々なアレルギー反応のことを言います。
主な症状として、発疹、じんましんなどの皮膚症状、お腹が痛くなるなどの消化器症状、ゼーゼーするなどの呼吸器症状があります。
また、2つ以上の症状が急激に激しく起こることをアナフィラキシーといいます。
食物アレルギーの主な原因となるのは、食物に含まれているタンパク質です。
乳児期に一番多いのが卵・牛乳・小麦で、幼児期には、そば、ピーナッツ、魚類、果物などのアレルギーが加わり、学童期からは、卵・牛乳が減り、そばや甲殻類が増えてくるのが特徴です。
なお、食物アレルギーは、消化機能の発達に伴ってある程度治っていくことが期待できますが、 原因となる食物が特定された場合は可能な限り、除去することが有効な治療となります。
但し、アレルギー反応の程度によって完全除去か、加熱によっては少量摂取できるかなどの判断が必要です。症状が軽快したあとは6ヶ月から1年で血液検査や食物負荷などを行い、除去食の解除の見直しをする必要があります。
除去が困難な場合には抗アレルギー薬などの処方を行う場合があります。